最近のラブコメ漫画は面白いものが多い。
個人的に好きなのは「アオのハコ」や「薫る花は凛と咲く」といった、あんまり嫌なやつが出てこない作品たち。
まっすぐな主要キャラたちの物語を見守るようにして楽しむのがとても心地よい。
男の子も女の子も良い子ばかりでお小遣いあげたくなってしまう。
ラブコメ漫画といえば青春、といいますか。
主人公やヒロインたちは若者であることが多い。高校生というのが特に鉄板の設定である。
きっと高校生同士の初々しい関係性にタジタジになる大人の読者はきっとたくさんいるはずでしょう。私もその1人です。
あの年代でしか味わうことができない青春を漫画を通して体験し、悶え楽しむことこそがラブコメ漫画の面白い点のひとつなのだと思う。
う、羨ましくなんてないんだからねっ!
ラブコメ漫画の青春の眩さに当てられて、
「ああっ、私ももう一回青春時代を過ごしたい…!」
と感じたことがある大人の読者はたくさんいるでしょう。
後戻りのできない年齢という壁。
あの時期でしか経験できない青春。
素敵な異性との思い出づくり。
どれだけ恋焦がれようと、現実は無情なので「あの頃」には戻れない。
戻れたところで漫画のように行くわけでもないし…。
僕らは猪股大喜くんではないのだから。
漫画を通して青春時代への想いを募らせたり、自身の青春の思い出を振り返ってみたりするけれど、やはり青い年代の経験というのはかけがえのないものだと大人になって再確認してしまう。
もう戻れないという現実はとても悲しい。
でも大人だって負けないくらい楽しいんだ。
20歳を越えて30歳にもなって
淡い青春を夢見ても取り返せないなら、現在を思いっきり楽しんでしまうしかない。
20歳を越えたら、今まで禁止されていたお酒を楽しめる。
大人になったことで自由にやれることだってぐっと増える。
高校生にはない楽しみ方が大人にはあるのだから、それを目一杯楽しまないのは勿体無い。
高校生のような純真無垢な人間関係は築けないかもしれないけど、少し裏があったりする関係だって悪いことじゃない。
30歳になるくらいになれば、家族が増えている人も増えてくる。
友人、恋人と関係を変化してきた人と夫婦となったり、その人との子供が産まれていたり。
自分の家庭を持つことで得られる幸せというのも青春と変わらないくらいかけがえないものだ。
実際私は30代で息子が産まれ、日々の成長を見守ることが代え難い瞬間の積み重ねになっている。
若者の恋愛でしか得られない青春があるのも確かだけど、30代のお父さんにしか得られない息子との時間だって負けないくらい輝かしい時間だ。
きっとこの時間は死ぬ時までに何度も思い出す光景になると思えるくらいに価値があるものだと感じている。
年齢を重ねることで、昔は興味を持てなかった芸術や自然に触れることを楽しめるようになることだってありえる。
色々な経験をしたからこそ得られる視点があるので、大人になってからじゃないとわからない楽しみとの出会いがきっとある。
私はまだ30代なので、40歳や50歳、60歳以降の楽しみはまだ経験していないけれど、より社会で活躍することや、後の世代を育てる楽しさが待っているのかもしれないし、今の自分では検討もつかないことに夢中になる可能性だってある。
歳をとってからじゃないとわからない価値というのは世の中に溢れているのだろう。
若さが眩いのは当然だけど、これから先のことだってきっと同じくらい魅力的な時間が待っているのかもしれない。
人生はいつだって眩しい世代
若者は夢があっていいなぁとか考えてしまうのは仕方ない。
だけど、いま手元にあるものだって数年経てばもう取り戻せなくなる。
今しか楽しめないことというのは、文字通り「今しか」ない。
ラブコメ漫画をはじめとした創作にふれたときの感じ方だって、今後どんどん変化していくと思う。自分がいろんな恋愛や人間関係、たくさんのことを体験した方が、同じコンテンツでも受け取り方に幅が広がるはずだ。
もう過ぎ去ってしまった青春を取り戻せないと嘆くより、今しかないものを燃やし尽くす勢いで享受しちゃおう。
今だってきっと青春なんだ。
そうだよね、ガイ先生!!!!