育てる日々 PR

あらゆるリアルな子育て話をきいてみたい

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ずっと気になっていた「親になってもわからない」をようやく読みました。
この本はTwitter(現X)で21万を超えるフォロワーを抱えている深爪さんの書かれたエッセイ本です。

私は深爪さんが過去に出されていた数冊も読んでおり、この方の文章の面白さに惹かれていてずっと気になっていた本なのですが、「子育て」をテーマにしているこの本を発刊当初の私は「きっと充分に理解することができない」と考えて、いつか買いたい本としてずっと温めておりました。

発刊から数年経ち、気づけば私も一児の親に。
親として日々いろいろなことを経験し、立派に父親としての役割を果たそうと奮闘する毎日を送っていますが、今なら子育てエッセイも以前より共感や理解することができるはず!と考えて、いつかに先伸ばしていたこの本を読むことに決めました。

内容は流石の面白さだったのですが、子供がいない当時の私が読んでいたら「面白いエッセイ本」止まりになっていたかも知れません。
ただ親となった私が読んでみたら、共感することも、今後の参考となることもたくさん書かれており、今後も数年おきに読み返したときに抱く感想が変わりそうな素敵な内容でした。

せっかくなので感想として色々書き残しておきたいと思います。

子供の面白さは異常

この本の中で一番面白かった箇所はどこか?と聞かれたときに、私は絶対に『本当にあった「3歳児神話」』を推したい。
そのくらいこの章は爆笑させていただきました。

ここでは育児日記より抜粋された3歳児の出来事が箇条書きにされているのだが、そのいくつかが私のツボにクリティカルヒットした。
確かに3歳児はこんなこと言いそう、という共感できるものから、母親に対する子供ならではの残酷な無茶振りなど、実際に自分が経験したら誰かに吐き出したいくらいの面白い出来事が綴られていた。

神話は今も全国各地で生み出されている、と述べられているように、今もどこかの家庭では子供がとんでもないことを言ったりやらかしたりしていて、世の中のお父さんお母さんはきっと奮闘しているのでしょう。

幼少期のエピソードとかをネタに語ってもらったら小一時間は語れるような親御さんがきっとたくさんいるんだろうな。
自分が今後育児をしていくときにも、子供からいろんな神話を与えられそうで、育児自体が非常に楽しみになりつつあります。

自分は親に対して、どんな神話を与えてしまったのだろうか。
早朝から全力の頭突きで起こしにきていたという話は聞いたことはある。本当にごめんなさいって思った。

育児って本当に大変だ

育児エッセイって結構キラキラした内容を想像しがちだったのですが、こちらの本はリアルな感情を描いてくれているので非常に面白かった。
出産・育児に対して幻想を持っている人にはぜひ読んでいただきたい。
これがある個人のリアルな奮闘記であり、キラキラした俗説よりはこっちのほうが現実に近いのだと。

よくある「理想の母親像」を押し付けないどころか、苦悩をそのまま美化せずに苦悩として語ってくれているから、現在育児に苦労している人や、過去に育児で苦労した経験がある人ほど共感できるのではないだろうか。

母親は過度に「母親」であることを求められる風潮はあると思う。
街中で子供を叱りつけている親を見て、「親としてできていない」と考えたことがある人は多いのではないだろうか。
私もそのように、よその親子を見かけて考えてしまったことはある。けれども、そのときの私は育児の本当に大変さを理解していなかったからこそ、そのように考えてしまったのだろうと今ならそう考えてしまう。

育児の苦労や大変さを自分自身で経験し、しっかりと理解した立場だからこそ、言えることもあるはず。

周囲のお母さん方もリアルな経験をたくさん教えてくれているが、どれもキラキラなんてしていなかった。
「こういうところが過酷だったから舐めない方がいいよ!」「実際このくらいじゃ済まないから覚悟しておきなね!」
子供が産まれる前のアドバイスとしてこういった言葉をいただきはしたが、その本当の意味は産まれた後にようやく理解した

正直育児の大変さは経験してみないと何を言われても理解はできないんだと思う。
だからこそ、こういったエッセイのリアルな発言に共感できるのは育児を経験した人にしかできないのだろう。

育児は大変で過酷で孤独で複雑で。
素敵な親になることも意識しつつも、世間一般での求められる母親像、たとえばどんな時も笑顔でいましょうみたいなことは「それができれば苦労はしねえ!」とネテロ並に否定したくなることでしょう。

育児は神性化しすぎず、過酷な肉体労働だという認識は、若い世代にも広まっていくといいんじゃなかろうか。
なんだかんだ文句や愚痴をいいながらもやることやっていれば問題ないんだと思う
愚痴をいっても生活はできるのだから、言ってスッキリするなら言った方が得だ。

子供は子供、親は親

子供には幸せに人生を送って欲しい。
こう考える親がほとんどだと思います。
なので教育とかに熱心な親御さんが多いのでしょう。

自分の経験から子供に教えたいことはたくさん出てくるのではないだろうか。
成功できたと思う要因や、失敗から学んだ身につけておくべきことなど、子供に伝えたいことは親ならばいくつかは持っていると思う。
勉強しておけ、こういうことはするな、これができるようになっておけ。
親として子供に良かれと思い指導してはいるものの、当の子ども自身には何も響かず曖昧にかわされて、説教に発展してしまうことはあるあるなのではないでしょうか。

いう通りにやってくれれば親が安心できる、という理由で押し付けてしまい、本来考えていたはずの子供の幸せから遠ざかっていないかは定期的に見つめ直したいことですよね。
この本ではこういった振り返りの大切さにも気づかせてもらえます。

子供は自分の分身ではなく血のつながった他人。
そう考えるべきとは思うのだけど、なかなか難しそう。

親として心配な気持ちは抱えつつも、ときには見守るという選択を取る必要があることを考えさせられます。

うちの子がどんな子に育つかはまだまだわからないですが、私は安心して見守るという行動が取れるのだろうか。
余計な口出しをしてしまいそう・・・。

育児はたいへん、世の中の親御さん方はすごい

実際に親になってみてわかるのは、人間を育てるのは本当に大変だということ。覚悟はしていたのですが、認識は甘かった・・・。実際体験した新お父さん・お母さんたちを集めて、思ってたことと現実の乖離をテーマに話し合ってみたいものです。

子供は、産まれた直後には、数時間おきに面倒みないと死にそうなくらい儚い存在にしか見えませんでしたが、少しずつ成長する様子にはとても感動してしまいます。
この子が大きくなってきているのだから、私ももっと人として成長しないと。
毎日身を引き締めさせてもらっていて、どちらが親なのかわからないくらいだ・・・。

子育てエッセイ。初めて読んでみましたが親の立場からすると非常に面白いものでした。
また、子供が大きくなってきた5年後10年後に読んでみたときには違った感想をきっと抱くことになるのでしょう。

私も育児を通していろんな発見を経験したいし、神話を紡いでいきたい。
いつか他人を爆笑させる我が子のエピソードを発信できる日を願っています。